「部隊」といっても、自転車が複数台あるのであって、乗る人間は、みるかし姫一人なのであるが(笑)。
| 遠征用新兵器・折りたたみバイク |
きっかけは、飛行機内のカタログで目にした折りたたみ自転車「 UGOハイテンWサスFD-MTB26K」の 広告である。今まで目にした折りたたみ自転車は、車輪径の小さい20インチなどのものばかりで、 とても10キロを走ってから田んぼの畦にまで乗り入れるという作戦には不向きと思われた。 ところが、ここに26インチの 折りたたみ自転車があるというではないか。しかも「マウンテンバイク(MTB)」と書いてある。喜んで 注文したはいいが、届いた商品には「一般道路用」とある。色々調べてみたところ、山の起伏が 激しいトレイルを走る強度を持ったものを真のMTB、そうでない街乗り用の、スタイル のみMTBに似ているものを「MTBルック(もどき)」と称するらしい。しかし、私はヘルメットにプロテクターまで付けて山の中の道なき「オフロード」を自転車で走り回るスポーツを目的にしている訳ではないから、(大変高価な)真のMTBの範疇に入らずともかまわない。 ジャリ道や畦道でパンクしにくく、サスペンションが効いて快適ならば問題ない。18段変速なので、長距離の移動もより楽になる。そして何より、簡単に折りたたんで、電車(あるいは飛行機でも!)で運搬できるので、今までのように行き先のレンタサイクルの有無および貸し出し時間帯を気にする必要がなくなり、片道のみを走るという行程も可能になる。
とりあえず、東京都荒川区から荒川をさかのぼる行程を秩父まで走ってみた。走りついた地点から電車で帰り、次回同じ場所まで電車で行ってさらに先を自転車で走るという寸法。河川敷を簡単に観察しつつ、一日に80キロ走るのは問題なし。一箇所のクモ見フィールディングで藪を切り開きながら進む労力と比べてみても、疲労はさして変わらないから、特別に無理をしたという感覚はない。行動圏と観察行程の可能性が大いに広がる期待がもてる。電車とバスを乗り継がないと行けない自然公園にたどりつくにも、電車の駅から自転車で直行すれば時間の大幅節約になった。例えば、浦和の秋ヶ瀬サクラソウ自生地に行くには、自転車-地下鉄-京浜東北線-武蔵野線-バス-徒歩であったが、自転車を運べば、自転車-京浜東北線赤羽駅まで-自転車で荒川沿い走行、と大幅に行程短縮になるうえ、広い公園内で自転車が活用でき時間節約になる。沖縄ヤンバルや小笠原など離島のフィールディングは、自動車運転の同行者がいない限り、広域の活動は無理だったが、こいつを持ち込めば、ひとりでの行動範囲が広がるはずだ。
いずれはボルネオのジャングルにも挑戦したい。そうなってくると、厳しいオフロードが続くと思われる。パラシュート降下部隊が戦場を走るために設計された軍用の頑丈な"Paratrooper"というモデルが アメリカにあり、将来はこいつにさらにグレードアップできたら文句なし(森林レンジャー・国境警備隊なども使用している)。・・・とカムフラージュ色の縁起かつぎ?で、折りたたみバイクのアルミむき出しフレームの部分に、保護をかねて迷彩テープをまきつけてみた。うむ、森に溶け込む解放軍専用車らしくなった(笑)。
| 「里山仕様」改造ママチャリ・リュウセイ号 |
千葉県北部で自然の残る流山の里山や利根運河周辺の谷津の調査に、移動のための足となってきたのが、柏市で購入したブリジストンのブリッド・ステンレスBSU70Sだ。27インチと車輪が大きいので舗装道では快適な走りだが、いかんせん田んぼの畦道に入るとチェーンが下半分むき出しなため草を巻き込み、しばしば立ち往生する。タイヤは一般用なので砂利道でパンクしないか冷や冷やモノだ。チェーン・カバーを歩道の分離帯ブロックにぶつけてゆがめてしまった。調査地である利根運河の近くに放置してきたため、1年半でサビを生じている。それでも「流星号」(「流山」から一字もらった)と名づけて愛用してきた。
このフィールド用愛車に泥道砂利道でも走れてパンクしにくいタイヤを履かせられないかと、MTB店に相談してみたところ、凸凹突起のあるブロックタイヤは27インチというサイズではないらしい。そこで、荒川区で使ってきた26インチ・ママチャリ(ハンドルが大きく上に湾曲してるやつ)に、流星号のストレートに近いハンドルを移植し、26インチをフィールド用に使うことにした。このママチャリはチェーンカバーが全体を覆っているタイプなので、草をチェーンが巻き込むトラブルも解消できる。サドルを高くして少し前に傾けると、れっきとした前傾姿勢で乗れるようになった。26インチならば、昔流行したランドナー車用の凸凹突起タイヤ(パスハンティング=峠越え用)が一般車でもつけられるというので、野田「輪工房」さんでお願いした。峠をハントというより、台地斜面林の切通しをこまめに観察して回るトタテグモ生息ポイント・ハンティングに役立ちそうだ。ちょっと走っては停車し、降りて観察をするという利用法だから、ママチャリ・フレームの形がむしろ好都合なのだ。
改造のため、野田市と荒川区とをママチャリを持って行き来するのは、結構大変だった。分解してバッグにしまった状態でないと、電車の乗車は認められない。そこで、前輪をはずして、ハンドルとフレームにしばりつけ、ペダルも取りはずした状態で「輪行袋」にしまうという作業だ。軽量のロードレーサーなどの自転車乗りが皆さんやっていることなのだが、ママチャリはカゴもついていて、分解するには時間もかかる。それでもなんとか、改造ママチャリ・新「リュウセイ号」が誕生した。カタカナにしたのは、秩父で見た伝統の手作りロケット打ち上げ祭り(龍勢祭)をカケてみた。
走ってみたところしっかりとした足取りで、砂利道でも怖くないし、雑草に足をとられないスピードに上げて非舗装道を走ることもできるが、クッションが効いてないため振動がかなり腕と腰に来る。そこでサスペンション付きシートポストというのを導入し、ついでにサドルも新調することにした。ここまで改造に金をつぎ込むと、もう雨の下に野ざらしにはしたくなくなった(笑)ので、調査地近くに駐輪場も契約。コンパスと距離計もつけて、川沿いの調査などでの記録用に使用する予定。しかし、坂道下りで速度を落とすと、後輪のバンドブレーキが、林の鳥が飛びたってしまうほど大きな悲鳴を上げるのは中古ママチャリだから仕方ないのか。そこでMTB用のブレーキシューを前輪につけてせめて制動力を上げてみたところ、前輪でのコントロールが結構効くようになり、音鳴りをだいぶ抑えられるように。また、カゴに荷物を入れると土の上では特にキックスタンドで駐輪時の安定性が悪い。そこで、バイクのように中央部につけるセンタースタンド(先端にカバーが付いているので土にめり込みにくいもの)に取り替えたら、駐輪時に転倒しにくくなって良い感じだ。エンドバーもつけたところ、ちょっとした切通しの坂道なら、チェーンカバーをぎしぎし言わせながら登れるようになった。里山仕様のママチャリ改造は上々である。
ママチャリも部品交換すれば機能アップすると分かり、そういう目でママチャリ廃車置き場を見ると、 使える部品の数かずが転がっている(笑)。廃車を分解して、シマノ3段内装ギアとローラーブレーキの 付いた後輪をいただき、リュウセイ号に移植してみた。後ブレーキの効きはバンド式のときのほうが良かったが、キーキー音はまったくしなくなった。ギア付きはなかなか楽だ。究極のママチャリ里山ツアー用に、こんな装備(プラス20キロ)も搭載した上で坂を登ることも可能だ。
| その昔、子みるかしが里山を走りまわった頃から |
東京都杉並区の小学校低学年時代、まだ雑木林がアパートから遠くないところに残っていた。仲間と連れだってクワガタを獲りに「三本木」や「六本木」と通称で呼ばれた林に、自転車で集まった。
熊本市の新興住宅地の小学校3,4年時代、周りは畑や藪。自転車で走り回っては、忍者ごっこや戦(いくさ)ごっこをしていた。
横浜市磯子区の小学校高学年から中学時代、やはり開発されたばかりの住宅地のすぐ裏が鎌倉に続く
山だった。自転車で山の中の池に行っては、ザリガニを釣り、カメを獲り、ヘビを持ち帰って親に怒られた。
大学時代、京都の街と山を駆け巡った日常の移動手段だったスポーツ車。
ビルマ軍政と素手同然で闘う学生たちのジャングル・キャンプのもとにカンパ物資として届けたタイ製の頑丈な自転車。
阪神大震災直後、知人たちのもとへと壊れた街を走ったマウンテンバイク。
自然の中を疾走する足、サバイバル状況下で頼れる足、それが自転車だった。